ポルシェ空冷エンジン最終モデルのガラス交換を施工します。
フロントガラスの枠側にある樹脂製ファスナーでアウターモールは固定されています。
モールを外すとシリコンのような充填剤が詰められていました。
これは、ボディフランジと樹脂ファスナーの間に数ミリの隙間が有り、それが異音や錆の原因と憶測
される為の安易な対策方法なのです。
フロントガラスを外してから古いシール材を取り除きます。
どうやら錆などのトラブルは無さそうです。
しかしボディ全体にシール材が付着してるので、ここの工程が1番手が掛かってしまいます。
ボディの際の所は傷がつくように削らないと古いシール材が除去できません。
その傷の処理を怠ると、腐食が始まり雨漏れ、最悪ボディに穴が開くといった悲惨な結果と
なってしまうのです。
小生、嫌と言うほど錆に侵されてしまった車を見て来ているので、
下地を作る所は最も重要で、かつ慎重な施工が不可欠と思います。
湿気を含む空気に触れた瞬間に、鉄肌は酸化を始めてしまいますので、
速やかな作業が必要とされます。
基本となる下地の作業が終了したら、2番目に重要な工程はシーリングだと思います。
ボディとガラスの相性も考慮しながら、数種類あるシール材の中から適した物を選びます。
ポルシェ993はシーリング方法に特徴が有り、そこは経験値がものを言う所でしょうか。
オリジナルを崩さず、錆や異音といったトラブルも同時に解消します。
フロントガラスを乗せてから、アウターモールを取り付けていきます。
ガラスとボディの隙間に余計なシーリングはしません。
完了です。
当時の993はトヨタの資本も加えられているので、ゲルマン魂の物作りの影が少し薄い
所があります。 しかし心臓部(エンジン)は今の時代に反して小粋と言ったところでしょうか。