1970年代にフランスの商用車として活躍したSaviemです。
日本語ですとサビエムかサビームと私は発音しております。
半世紀近く過去に作られた、いかにもフランス車らしいおしゃれなデザインです。
後部にはパンを焼く窯が乗っており、どことなく子供たちがはしゃぎながら
集まってきそうな夢の有る車ですね。
しかし夢の有る車もフロントガラスが無いと公道を走る事ができません。
当時はフロントガラスも強化ガラスが一般的に流通してました。
安全合わせガラスなどとても高価で高級スポーツカーぐらいしか仕様してません。
強化ガラスは一度飛び石を受けるとコッパ微塵に飛び散ってしまいます。
フロントガラス製作を工場に頼めば生産ラインや多くの人脈を動かす事になるので、
とんでもない金額が掛かってしまいます。
オリジナルの強化ガラスを探して交換するより、現在流通している合わせガラスを
加工して取付けた方が安全でかつ安価に済みそうです。
しかしこの左右の曲面は非常にきついアールです。
現在生産されているフロントガラスから曲がりの近い物を選び、大きさを
図りながらカットしていきます。
一枚目は曲げが合わず、二枚目に挑戦です。
二枚目は中心から左右両端200ミリ内側までは見事に合っています。
しかし端っこの曲げはかなりキツイ・・・
ちなみにカットは全て硝子カッターで手作業の施工となります。
考えた結果、マスキングテープのラインでガラスを切るしか無さそうです。
切ったガラスのつなぎ目は段差を無く加工して、シール剤でつなぎ合わせます。
純正のゴムもそのまま使えて問題なさそうです。
つなぎ目の外側にモールを張ればちょっとお洒落かもしれません。
ワイパーアームもガラスに合わせて曲げて作りました。
安全上考慮して、100km以上の距離を高速道路を走ってテストした結果、
問題無く無事に車検も通ってくれました。
フロントガラスは当時のオリジナル感が無くなってしまいましたが、
愛らしいヘッドライトで何故か好感を持ってしまいます。
子供たちは車の正面を顔に見たてる事が多いですからね。
末永くパンを焼いて働く車でいてください。