マセラティ ビトルボクーペのフロントガラスを交換いたします。
ビトルボ222は、マセラティファンの方々からまだまだ人気を孤児されているようです。
とにかく旧車は部品が無くなってきているので入荷が大変です。 ガラスは国内にはもちろんありませんので、イタリヤ本国から
当社が直送で準備いたしました。
ルームミラーの付け根から割れてしまったようですが、原因はルームミラーの取付金具が問題ありと思えます。
ビトルボのガラス交換は1日で終わりませんので今日はハズシのみとなります。
内装を全部ハズしてから内側からシーリング材を切ってガラスを外します。
所々サビも出ていますが、下地も整えてからガラスを持ち帰ります。
ガラスは割れてしまっていますが、外側のモールとラバーが綺麗ですので再使用したいと
思います。
外側のラバーは切ってしまう事さえ注意すれば、容易に外すことが可能です。
しかしアルミモールは外すのが大変です。 ポリウレタンシールで圧着されているので非常に困難な
作業となります。 傷つけず曲げないように外せれば、後の仕上げに有利となります。
新品モールでガラス交換をよく施工しますが、ぴったり合った部品は見たことがありません。
ガラスをボディ側に固定する金具も取ってしまいます。
ステンレス材で作られたこのショートパーツも、大変意味のある部品となります。
さすがにこの部品は変形してしまうので、加工が必要となります。
新品ガラスに先に金具を取り付けます。 ウレタンシールを厚みにして金属とガラスが直接
触れないように組み込みます。
モールの取り付け位置も最初にマーキングします。
モールとガラスをウレタンシールで圧着します。
外したガラスと同じ位置にセットします。
これが少しでも位置がずれると、とんでもないトラブルが発生してしまいます。
慎重に・・・
ルームミラーのステー金具も先に取り付けます。 オリジナルは2液性のボンドですが、
これがガラスの割れの原因となってしまうのです。 ガラスと一体となってしまうぐらいの強力なボンドですと、
ルームミラーの衝撃がモロにガラスにきてしまいます。 対処方法としてはステーの接着方法を変えるのが一番だと思います。
この車はポリウレタンで取り付けましたので、 ウレタンがゴム状のクッションとなって理想の状態となります。
周りのラバーを取り付ければガラスとしての部品が完成します。
整いました。
ガラスが最初に付いていた位置に、完全に収まるように仕上げます。
これでルームミラーからガラスが自然に割れてしまう事はないでしょう。