フェラーリ328のフロントガラスを前周りのボディ塗装の為はずします。
20年以上も昔の車ですが、いかにもフェラーリらしい美しいデザインです。
フロントガラスの枠に付いているアルミモールを先ずはずします。
最終仕上げの優劣が外し方によって大きく左右してしまうので、ここの工程は一番集中する所となります。
この車は過去にフロントガラスを一度も外していない為、周りの黒塗りの所が剥がれかかって
見た目が汚くなってしまっています。
その対策として、あらかじめアルミモール枠から内側に10ミリ幅のマーキングテープを張っておきます。
これがミソとなるのです。
フロントガラスが外れました。
1989年位のモデルかと思いますので、24年ぶりに前周りがすっきりしたみたいです。
ガラス枠の状態ですが、一液性ラッカースプレーの様な物での黒塗りですから20年以上も経てば致し方ない。
しかし、外からここの黒いところが非常に目に付いてしまいますので先ほどのテープの位置まで後で
塗装します。
ボディ側もきれいにします。
オリジナルは、ネバネバ状のブチルゴムと言う固まらないシールの上にガラスが乗っています。
そのシールの外側に柔らかく硬化するシリコンで固定されています。
アルミモールを止めているバネ材で出来ているクリップも全部はずします。
ボディ塗装終了後、フロントガラスを取り付けにまたうかがいます。
フロントガラスを預からせていただいているうちにガラスの黒塗りも済ませておきます。
ガラスの淵から寸法を出してしまうと、外から見た均一なラインは絶対出ません。
塗装が終わった状態ですが、本当にこんな位置に黒塗りしていいの? なんて毎回思ってしまう位に
出来上がります。 アルミモールの方も曲がり状態を矯正しておきます。
クリップも溶剤に漬けておき、古いシリコンを落としておきます。
数日後となります。 ボディ塗装が終わっていますがきれいなレッドカラーですね。
傷なんか付けたらその場から逃げだしたい気持ちになるかも・・
クリップをボディに取り付けますが、そこはオリジナルにこだわってPOP社の
シールドタイプを使います。
ガラスを取り付けました。 最初に付いていた位置を確認しながらの作業となります。
シリコンを充填した後にアルミモールを取り付けます。
モールのつなぎ目とガラスの淵の黒塗りがいいラインで整いかけております。
なかなかイイかも・・
我ながら完璧です。 職人ですから照れも無いですね。 当たり前のことをやっているだけです。
最後にシリコンでアルミモールの外側をシーリングして仕上げます。
シリコンはアルコール型の物でないといけません。
整いました。
ほとんどオリジナル状態のお車です。
いつまでも大事に乗っていただきたいと思います。