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本当に久々の更新となってしまいました。 12月の更新ですが、この画像は夏頃の入庫画像であります。
今年の前半は各地で大雪に見舞われる非常事態となってしまいました。
さて、一見綺麗な512TRのようですが・・・ こだわりをお持ちになられるお客様ならではのご相談です。
3月の大雪でルーフに傷が入り鈑金塗装をしたようですが、モール、パネル類を外さずに塗装をしているようです。
よく見るとモールのアウターラバーは切って外し、後から何かで貼り付けているようです。
お客様はオリジナルに戻したいだけなのに・・と嘆いておられました。
先ずモールを外してみましょう。・・と、各所に瞬間接着剤のあとが! 赤色の上にクリヤーがべったりと垂れている~!!
はっきりと無理です!!! 塗装のやり直しとアウターラバーを新品に交換しましょう。
ウィンドモールを一週外します。 この作業ができる業者がなかなかいないんですね~
ルーフサイドに盛りすぎたシリコンを取るだけでは心配なので、ルーフモールも左右外します。
ルーフモールはもちろん、新品などは存在しないので慎重に外します。
テールカウルも外せばルーフのみとなり、下地作業が容易にこなす事ができます。
オリジナル塗装はグラスリッドFE300となりますが、欧州の大手会社は株式取得合戦ばかりしてますので
社名がよく変わってしまします。 今回の塗料はデュポン製ですが、グラスリッドからスタンドックス、そして
PPG、デュポンとよくわかりません。 そのうち大手IT企業とか、製薬会社になるかも・・・
しかし色の調合職人はおそらく変わってないでしょう。
鈑金塗装が終了しました。 クリヤーの入っていないソリッドカラーは何とも言えない色の深みを感じさせられます。
これでお客様が気にされているウィンドモールの取り付けへと作業工程に進めます。
ルーフモールはシール材のみで付いていますのでシール材の特性を活かせば、用意に取り付けられます。
ウィンドモールも同様です。 外側のラバーがアルミのモールにしっかりと固定されたのを確認して、シール材を
充填していきます。
ルーフ各所、特に際、非常に繊細に仕上がりました。
お客様がウィンドのアウターラバーを引っ張り、「お~これこれ!」と言われて喜ばれたのを見て大変うれしく思いました。
実は金額の方もちょっと安く頑張ってみたのであります。
フェラーリ456はフロントエンジン後輪駆動スタイルで、フェラーリ初代から歴史を受け継いでいる
正統な跳ね馬モデルかと思います。 V12気筒のエンジンは恐ろしいほどのトルクパワーを出すことができますが、残念な事に現在
456の販売価格が低迷しております。 生産台数や年代も有りますが、細かいところがすぐ壊れてしまい交換パーツが高価であると
言ったところが大きな要因かと考えられます。
今回もドアガラスがきちんと動かないという事で修理をさせて頂くことになりました。
ドアガラスがお辞儀をしてしまうように前側が上がらないという症状になります。
ガラス周りにサッシュが付いていないのでガラス調整が非常にシビアになります。
レギュレターを外して良く見たらビックリです。 アームが分解してしまいました。
アームの合わさった所に亀裂が入っていたのでしょう。 ガラスの前側が上がらない原因だと思われます。
カシメ部分はジュラルミン系のアルミ合金が使われています。
亜鉛などの配合割合で強度が違ってきますが、経年劣化が主な壊れる原因です。
8枚のギザ歯にかなりの負担がかかっていた物と思われます。
本来レギュレター交換となりますが、20万円位してしまうのかな? ここは技術と根性で直してしまおうと踏ん張ってみました。
ギザ歯の隙間にM3ステンレスのボルトを8本通し、ナットで共締めしてみました。
ボール盤で加工すればもっと綺麗に行くはずでしたが、少し斜めになった所が干渉してしまう為、表と裏にボルトナットを
分ける事となってしまいました。 ちょっと失敗です。
見た目は悪くても強度はバッチリです。
アームの合わせ目中心にワッシャーをボルトで留めればソコソコいい感じですね。 後はレギュレター本体にアームがこすれない様に
気をつければレギュレター修理完了となります。
いい感じですね。 サブアームがレギュレター本体の裏側でスライドする様に作られていますが、ここの所が456のドアガラス
調整のカギとなるのです。 今回の修理でしばらくは問題なく稼働するでしょう。
高価な新品を用意すれば容易に直すことができますが、見方を変えればいろいろな方法があります。
難しいようでも有りながら、時間をかけて手を加えれば結構面白い案が浮かびます。
完成です。 修理も安価で済みました。
フェラーリ328のフロントガラスを前周りのボディ塗装の為はずします。
20年以上も昔の車ですが、いかにもフェラーリらしい美しいデザインです。
フロントガラスの枠に付いているアルミモールを先ずはずします。
最終仕上げの優劣が外し方によって大きく左右してしまうので、ここの工程は一番集中する所となります。
この車は過去にフロントガラスを一度も外していない為、周りの黒塗りの所が剥がれかかって
見た目が汚くなってしまっています。
その対策として、あらかじめアルミモール枠から内側に10ミリ幅のマーキングテープを張っておきます。
これがミソとなるのです。
フロントガラスが外れました。
1989年位のモデルかと思いますので、24年ぶりに前周りがすっきりしたみたいです。
ガラス枠の状態ですが、一液性ラッカースプレーの様な物での黒塗りですから20年以上も経てば致し方ない。
しかし、外からここの黒いところが非常に目に付いてしまいますので先ほどのテープの位置まで後で
塗装します。
ボディ側もきれいにします。
オリジナルは、ネバネバ状のブチルゴムと言う固まらないシールの上にガラスが乗っています。
そのシールの外側に柔らかく硬化するシリコンで固定されています。
アルミモールを止めているバネ材で出来ているクリップも全部はずします。
ボディ塗装終了後、フロントガラスを取り付けにまたうかがいます。
フロントガラスを預からせていただいているうちにガラスの黒塗りも済ませておきます。
ガラスの淵から寸法を出してしまうと、外から見た均一なラインは絶対出ません。
塗装が終わった状態ですが、本当にこんな位置に黒塗りしていいの? なんて毎回思ってしまう位に
出来上がります。 アルミモールの方も曲がり状態を矯正しておきます。
クリップも溶剤に漬けておき、古いシリコンを落としておきます。
数日後となります。 ボディ塗装が終わっていますがきれいなレッドカラーですね。
傷なんか付けたらその場から逃げだしたい気持ちになるかも・・
クリップをボディに取り付けますが、そこはオリジナルにこだわってPOP社の
シールドタイプを使います。
ガラスを取り付けました。 最初に付いていた位置を確認しながらの作業となります。
シリコンを充填した後にアルミモールを取り付けます。
モールのつなぎ目とガラスの淵の黒塗りがいいラインで整いかけております。
なかなかイイかも・・
我ながら完璧です。 職人ですから照れも無いですね。 当たり前のことをやっているだけです。
最後にシリコンでアルミモールの外側をシーリングして仕上げます。
シリコンはアルコール型の物でないといけません。
整いました。
ほとんどオリジナル状態のお車です。
いつまでも大事に乗っていただきたいと思います。
ドアパネル塗装のため、パネルに付いているガラスやモール類を
完全に外してしまいます。
さすがフルカーボンといった感じですね。
トリムは簡単に外せます。 ドアガラスもボルトのみでいたってシンプル。
これこそがレーシングスタイルでしょうか。
油断禁物!フェラーリに楽な仕事やマニュアル通り、なんて絶対ありません。
ここからが大変な作業となってしまいます。 水切りドアモールを外しにかかります。
まず目に付くリベットをドリルでもんでいきます。
ドアパネル内側にもリベットが付いているので確実にもみ取ります。
水切りモールは内側、外側、下の方まで一体となっています。 リベットだけでは外れません。
シリコンと瞬間接着剤が強烈にモールに絡んでいます。 曲げないように・・
なんとか外れました。
次は前側の三角(ベンチ)ガラスに取り掛かります。
外し終わってしまった画像ですが、ウレタンシーリング材がはみ出して見えます。
普通はボルトのみで付いているのですが、さすがにこれでは簡単に外せません。
三角(ベンチ)ガラスが付いていたパネルの内側です。
矢印の部分ですが、 これでもか!と言わんばかりのシーリング材です。
本当に勘弁してくれよといった心境になります。
左右外したモール類です。
根性で外した左右の三角(ベンチ)ガラスとなります。
あとはドアノブのみとなっています。
塗装が終了したら後日取り付けにかかります。
やはりF50は迫力がありますね。
カーボンファイバーをふんだんに使用したF50はまさに公道をはしるF1ですね。
F1をイメージするならば、ガラスへの大量のシールもやむを得ず・・でしょうか。
ランボルギーニディアブロのドアガラスを交換します。
90年代を代表するスーパーカーの一台ですね。
小生、カウンタックから受け継いだガルウィングによく圧倒されてました。
割れてしまったドアガラスです。 ドアにもフロントガラスと同じ作りの合わせガラスを
使っています。 画像ではわかりづらいですが、縁取りなどがさすがイタリヤ工芸品といった
作りとなっております。
新品ガラスを用意しました。 近年の交換部品は強化ガラスとなっています。
残念ながら20年以上経過しますとオリジナル部品はどんどんと消え去ってしまいます。
形こそ合っておりますが、材質が全く異なる大量生産レベルの品物です。
割れってしまったガラスからステー部品などを移動します。
モーターとレギュレーターはアッセンブリー部品として何故だか20年前と
同じ部品です。 レールの形状をボディに微妙なタッチで合わせてあげれば
問題なく取り付けできるはずです。
簡単かと思いきや、いかんせん。 結構複雑な作りですね。 ガラスが強化ガラスに
変更されただけでモーターの負荷や、サイドレールへの干渉具合がかなり変わってしまいます。
ネジ穴を大きくしないとカッコつかない程です。
完全に仕上がった後、シリアル番号をサンドブラストで刻印します。
オリジナルはハンドメイドでシリアルプレートを作っています。 そのため数字の直線が微妙に曲がっているのですが
あえて真似して作ってみました。 ドア以外にも刻印はされているので調和が取れた感じでなかなかかな。
整いました。 運転席だけ強化ガラスになってしまいましたが、それはそれなりに・・
実はイタリヤ本国では当時のガラスはまだ手に入ります。 アフターパーツ課と言ったようなものは
ありませんが、コレクターの方たちがまだ裕福に暮らしていらっしゃると部品も出てこないといった感じですかね。
出てきてもとんでもない金額となるでしょう。
F512Mのフロントガラス交換とボディコーティングを施工します。
塗装作業と同時進行で進めていきたいと思います。
512モデルと言ったら80年前期からのテスタロッサから90年中期のMまで
10年以上続いたスタイルです。
バブル時代の象徴とも言えるフェラーリらしい車かと思います。
512Mは足回りやトランスミッションなど前期のテスタロッサより進んだ良く出来た車に
仕上がっておりますが、ボディ形状はほとんど変わっておらず特にガラスは一種類に統一されてしまいました。
黒塗り(セラミック)形状やアンテナ配線の位置など新車時と変わってしまいます。
作業するものが工夫しなさいということです。
まぁよくある事なので足りない配線を作るしかありません。
下地完成です。 今日のところはガラスをボディに取り付けて後日モールの取り付け、その他細かいところを
仕上げていきます。 以降数日後と続きます。
ミラーベースのところですが、ガラスに鋳物が直接当たるわけですので取り付けに工夫が
必要となってきます。 オリジナルにこだわらない所もある意味必要ですね。
ウレタンシールで固めればそこがラバークッション状になり、ミラーに頭がぶつかってガラスが割れたなんて
事はもう無くなります。
アンテナ配線もシールが固まってからのほうが、トラブルもなく綺麗に仕上がります。
塗装も終わってかなり時間が経過しておりますので、コーティング作業も準備にかかれます。
ウィンドモールの取り付けにかかります。 クリップ類はいっさい使っておりません。
シーリングの張力でアルミモールを形付けます。
目に入る隙間も綺麗に慣らしていきます。
この当時のフェラーリはシリアルナンバーがサンドブラストによって
刻印されます。 そこはオリジナルを意識しないといけませんね。
コーティングも大変良い感じで塗装に浸透しております。
ソリッドカラーの赤が見る者の目に強烈に焼きついてきます。
9割がた完了です。 テスタロッサの最終型ですから乗り心地も
いいんでしょうね。 個人的に欲しい一台です。
大変久しぶりの投稿となってしまいました。
本年も頑張りますのでよろしくであります。
レストア中のポルシェ959ですが、塗装も終わりガラスの取り付け工程に入ります。
リヤフェンダー周辺がなんとも言えない魅力を感じてしまいます。
先ずはフロントガラスの取り付け作業となります。959当時のボディは930ボディですが、フロントガラス周りは993と同じ様な作りとなっています。言い方が少々違いますね。 993のフロントガラスベースとなったのが959であります。
ガラスの周りにモール止めのファスナーが付いています。 ちょっと見れば993と同じですが、なんたって959の80年代のパーツです。
実は細かいところが違っていてガラスの内側にフィルムの様なコーティングがされています。
誤って刃を立てれば簡単に傷が付いてしまいます。 車検のステッカーなど貼らないように!!
当時930の高級グレードガラスもこんな感じですね。
黒い矢印の箇所はシーリングをした所です。
シーリング剤を二等辺三角形状にぐるりと一周施工します。
乗せます。
ガラス枠のファスナーにアウターモールを取り付けて仕上げます。
後ろのガラスの取り付けに入ります。
後ろ周りは930と同じですね。 サイドガラスも後ろと同様に施工しますが
ボディそのものがカーボンファイバーで作られているため、普通のポルシェみたいに簡単に
取り付けできません。 そこのところを何とかするのがプロというのでしょうか。
プロでも限界がありますけどね・・
なんとか整いました。
正面からだと993ですけど、中身は全然違ったポルシェとはかっこいいなー。
ランボルギーニディアブロ どうやらイオタっぽい雰囲気です。
今回は右側面塗装施工に伴い、右サイドガラスを脱着いたします。
この複雑な曲面ガラスを外します。
割れやすい合わせガラス構造となっておりますが、その物の造りをよく観察すれば
絶対割れるということは決してありません。
まず中のトリムを外します。
センターピラー部分のモールが外れました。
ビス3本で付いていますが、ほとんどシール材で固定されています。
このモールが取れたら8割方成功するといって良いかもしれません。
外れました。 アッパーモールとロアモールはガラスに付いた状態のまま外します。
塗装の妨げになるシリコンや、シール材を綺麗に取り除きます。
ボディはアルミですが鉄ボディの錆びを気にする時のように、ボディ側にはキズを付けない様に
刃物を上手に使わなくてはいけません。
この後細かい部品を外せば、フェンダー塗装がオリジナルの状態で仕上がると言うことになります。
塗装終了後、再度組みつけにお伺いします。
この合わせガラスは端っこに気泡も入り、非常に割れやすくはなっていますが本当はそんなに弱くはないのです。
そのわけは上下のアルミモールがガラスの補強をしているからです。
それからこの曲面が力をうまく逃がしている所も考えられます。
職人の手造りで付けられたガラスですが、人間に付けれて人間が外せないことはありません。
フェラーリ328です。 ピニンファリナの傑作だと個人的に思ってしまいます。
故エンツォ・フェラーリの魂がこもったモデルなんていいすぎでしょうか?
今回はサイドガラスからの雨漏れを直します。
左側には給油口が付いており、最後部が開閉可能のサッシュとなります。
内張りに水が浸入した後がしっかりと残ってしまいました。
しかしこのように外せれば、洗濯洗剤で丸洗いするとほとんど落ちてしまいます。
ガラスを外すと補修暦がよくわかってしまいます。 汚い・・・
しかし、シーリングをたくさん使っているのに何故漏れてしまうのでしょう?
本来このガラスはシーリングを使ってはいません。
水は浸入しても、サッシュの溝を通りボディの下へ流れていく構造となっていますが現実的には水が浸入するようです。
ですが間違ったシーリングを施工してしまうと、水の通りを遮断してしまう事さえありえます。
まずは古いシーリングを完全に取り去り、下地作りからとなります。
もちろん右側も同じように外します。
これで左右ボディ側がきれいになりました。
サッシュ側も完全に分解します。 ここまでやらないと雨漏れは直らないでしょう。 雨漏れを確実に止めるには、物の作りをよ~く観察するとよい答えがひらめくものです。
トライアンフGT6+のフロントガラス交換をいたします。
1960年後半のお車ですが、丁寧にレストアされていますね。
オーナー様はガラスの細かいキズが気になってしまうようです。
キズも取ることも出来ますが、新品に交換された方が間違いなくご満足されるでしょう。
早速ガラスを外させていただきますと、粗末なシーリングにびっくりです。
シリコンタイプのシーラーですが、俗に言う建築用シリコンですね。
黒ければ良いというものではないのです。
中身もこだわって仕上げなさいとまでは言いませんが、開けてびっくりなんとやら・・・
そんな所でしょうか。
ガラスは意外と手に入りやすいものですが、ウェザーストリップラバーは再使用設定で
作られているものが多いいのです。
ここまでくると本来ウェザーストリップは交換となってしまいますが、
とことんシリコンを落としましょう。 半分やけです。
時間をかければそこそこキレイになるものです。
ボディ側もとことんシリコンを落として脱脂します。
この年代のウェザーストリップタイプのお車は、硬化しないパテシールが
一番合っていると思います。
新品ガラスと新品みたいになったラバーを組み付けてボディ側に取り付けます。
整いました。 ところでトライアンフと聞きましたら最近でしたらオートバイと連想してしまいますが、
このリヤビューはかっこいいですね。 GT6+のデザイナーがミケロットというだけに注目してしまいます。