‘ガラス交換’ カテゴリーのアーカイブ
アルファロメオ・アルフェッタのフロントガラス交換をします。
旧車の部品がなかなか存在しにくくなった現在、今回の作業も大変貴重な
体験かと感じております。
アウターモールを外した状態です。 感じてはいましたが、過去の修復状態が
あまりよろしくないようです。
ボディの腐食がかなり進んでいます。 画像の反対側は穴も開いてしまっています。
モール止めとなるクリップですが、これがボディに直接触れると
サビが起きやすいようです。
こんな部品も無いので、なるべく再使用しないといけません。
本格的に直すのであれば鈑金塗装で日数と費用が掛かりますが、
今回は簡易方法で処理します。
ボディに穴が開いた状態ではガラスの取り付けができないので、サビ除去剤と
転換剤で下地を作り、ファイバーパテで穴を埋めます。
その後、従来通りの施工工程に入る事ができます。
再使用されたアウターモールも磨けば新品同様です。
フロントガラスが綺麗になれば、サビの事など忘れてしまいそうですね。
しかしあくまでも応急処理の下地作りなので、長くは持たないかもしれません。
大事にお乗りいただきたいところです。
ポルシェ空冷エンジン最終モデルのガラス交換を施工します。
フロントガラスの枠側にある樹脂製ファスナーでアウターモールは固定されています。
モールを外すとシリコンのような充填剤が詰められていました。
これは、ボディフランジと樹脂ファスナーの間に数ミリの隙間が有り、それが異音や錆の原因と憶測
される為の安易な対策方法なのです。
フロントガラスを外してから古いシール材を取り除きます。
どうやら錆などのトラブルは無さそうです。
しかしボディ全体にシール材が付着してるので、ここの工程が1番手が掛かってしまいます。
ボディの際の所は傷がつくように削らないと古いシール材が除去できません。
その傷の処理を怠ると、腐食が始まり雨漏れ、最悪ボディに穴が開くといった悲惨な結果と
なってしまうのです。
小生、嫌と言うほど錆に侵されてしまった車を見て来ているので、
下地を作る所は最も重要で、かつ慎重な施工が不可欠と思います。
湿気を含む空気に触れた瞬間に、鉄肌は酸化を始めてしまいますので、
速やかな作業が必要とされます。
基本となる下地の作業が終了したら、2番目に重要な工程はシーリングだと思います。
ボディとガラスの相性も考慮しながら、数種類あるシール材の中から適した物を選びます。
ポルシェ993はシーリング方法に特徴が有り、そこは経験値がものを言う所でしょうか。
オリジナルを崩さず、錆や異音といったトラブルも同時に解消します。
フロントガラスを乗せてから、アウターモールを取り付けていきます。
ガラスとボディの隙間に余計なシーリングはしません。
完了です。
当時の993はトヨタの資本も加えられているので、ゲルマン魂の物作りの影が少し薄い
所があります。 しかし心臓部(エンジン)は今の時代に反して小粋と言ったところでしょうか。
以前弊社でリヤガラスを交換してくださったオーナー様のプレリュードです。
古めかしくも何故か魅力を感じます。
現在のエコカーと異なり、スタイルの良さ、もっと力強くと探究心を込めて
作られたエンジン。 90年前後の車は、全ての車に前向きの力強さが有ります。
後、当時の夢や思い出なども有るのかな~
こちらはUSアコードです。 左ハンドルが当時は貴重で、未だに根強い人気を
誇る90年代の”THE HONDA”です。
残念なことにドアガラスが割れてしまったトラブルです。
部品が無いと廃車と言う事にもなりかねません。
この様な部品は国内には有りませんが、まだ新品部品は存在します。
弊社がトラブルの報告を受けてから4日目にはオーナー様の所に納品となりました。
しかし今回は色々なタイミングが良かったのでしょう。
例えばこんな部品も有ります。 プレリュードBA5の4輪分ABSセンサーです。
なかなかこんな部品はこの世に存在しませんね。
中古部品となってしまいますが確実に探し回った品物です。 4日で来る物もあれば、
半年以上探し続けた部品も有るという事です。
20世紀の車は長く乗れるという意味で海外の方には人気が有るのでしょうか。
己の古い物を大切にするという精神を、改めて見直す必要が有りそうです。
ポルシェ930ターボのフロントガラス以外全部ポリカーボネイトに交換します。
先ずはガラスなどを全部はずしてからデザインなど考えていきましょう。
ドアとフロントベンチは容易に作れますが、リヤクォーターとリヤガラスは300度以上の加熱で成形します。故に弊社のような
小さな町工場では作れませんので、頼もしい業者へ成形をお願いします。
サイドはスリットをおしゃれに入れてみようと思います。 ついでにリヤもGTカーのように穴開け加工なんてかっこいいですね。
ドアは簡単かと思ってみたところ、一番精密さを求められる作業となってしまいました。
デザインはF40とF360、F458カップカーのいいとこ取りという事で。。
あくまでもヨコヤマガラス、オリジナルであります。 スムーズにスライドできる小窓が付いていて、確実に格納できるように
寸法や素材の特性を計算しての設計です。 サーキットを限界に走る車両ですので、空力や強度も計算しなければいけません。
赤い矢印の部分は、3ミリほどのベアリングボールを適当な強度のスプリングで
スライドする小窓を押えています。
ナビ側も完成です。 取っての部分にナイロンベルトを付ければ、機能性を失わず小洒落た雰囲気でいいですね。 実はオーナー様の案でございます。 いやはや一本取られました。
ドア廻りで苦戦しているうちに、サイドとリヤが出来上がりましたので早速取り付けに掛かります。
なかなか良い出来だと思います。 軽量化を考えられてのポリカーボネイトへの交換となりますが、実際10Kgほどは軽くなったかと思います。 しかし軽量化と言われるより、どこから見ても攻撃的なスタイルはなんとも魅了しますね。
最後にフロントガラスもポルシェオリジナルマーク付きに交換しましたので、気分良くお乗りになれる事と拝察いたします。
BMWのハイブリットモデルi3のガラス交換の依頼を受けてしまいました。
私の中では出来れば触りたくない車の1台であります。
車体が高いのがとにかく嫌いなのです。
それとi3初期型のファイバーボディーと言う所でしょうか。
BMWはただ軽量化を目的に作ったのか、または将来性を虎視耽々と
見据えているのか・・
アルミや鉄の車体ですと従来の工具、材料が問題なく使用できますが、ファイバーボディーともなると
それが通用しなくなってしまいます。 そして初期型の設計という物は必ず問題点が発生します。
問題を解決するとマイナーチェンジとなるのですが、この車はガラスを外すだけでひと苦労です。
早い話、作りが悪い。
ガラスもかなりの軽量です。 高さが1000ミリ以上ですが、合わせガラス内側が1ミリあるでしょうか?
これは見事。 良い作りです。
ガラス側にシーリングを充填します。
サービスマニュアルではフロントフード脱着要とありますが、あえてそのままで・・
初期型モデルですからクリップ一つ外すのに1時間掛かってしまうからです。
ガラスを2人で乗せるのも、フードが邪魔なため適しません。
結果これがベストなのです。
80年代あたりのファイバーボディーの車は単純に軽量だけを目的にしております。
当時のガラスの取り付け方法もそれなりに理にかなった工程です。
現在はウレタンシールとファイバーを付けてしまうのだから、技術は遥かに進んでいるのでしょうか?
しかし材料の互換性の信用、下地作り、耐久性など課題はまだまだたくさん有ります。
トヨタをかなり意識したBMWが、21世紀にチャレンジした触りたくないけど面白い車ですね。
懐かしいフォードの車が入庫してきました。 1963年のカントリーセダンという車です。
とにかくでかい! 50年前のアメリカンサイズと言ったところでしょうか。
非常に残念です。 お客様は車上あらしに遭ってしまったようです。 こんな希少な車の、しかもさわりたくもないような
形状のガラスを割るなんて・・・ 犯人は無知で残酷であります。 こんな品物どこにもないぞ!
というわけで、フォードの事ならアメリカの友人Bobbyにガラスを探してもらいます。
最初はこんなガラスはどこにもないと断られましたが、しつこいメールのやり取りでどうにか見つかりました。
もちろん中古ガラスですが、きれいに磨いてくれて新品のようです。 Thank You!Bobby.
お客様が粘着テープで養生してくれたおかげで、ガラスの飛散が少なく外せました。
このちょっとした応急処置で、各部分に傷がつかなくて助かります。
ガラスは内側からボディに固定されます。 当時の生産ラインは機能よりスタイル重視。
わかったような語り口ですが、50年前だとまだ自分生まれてませんでした。
ただのうんちくです。 すみません。
完成です。 このテールスタイルはアメリカ車独特ですね。 圧倒されます。
もしまた割られたら、しばらくはガラス無しで走ってもらいそうです。
省エネなんて考えもしなかった時代、ある意味ぜいたくな作りをした車ですね。
希少なお車、大事に保管しましょう。
夕闇が迫りくる時間帯であります。
お客様が大事にされているF355スパイダーがフロントガラス交換のご依頼で入庫してまいりました。
お客様はきれいにされてるようですが、プロの見るところは基本的にキワをよく観察します。
むむ・・修復歴がありそうです。 それもかなり雑な仕事をされたかもしれない・・・
恐るおそるガラスをはずしてみたらOh My Got! 想像以上にひどい事になっています。
F355のボディフレームの特徴は、特にガラスの下側(ダッシュボードの付近)を注意しなければいけません。
水抜きの穴などの処理がされていませんので、上から落ちてくる雨水などはボディ下側に溜まってしまいます。
ボディに小さい傷を付けただけでも、時間がたてば鉄が腐るといったような状態になってしまいます。
穴が開いてしまった所までは行ってませんが、酸化した鉄板を直さなければシーリングができません。
地道な作業になりますが、まず錆を落としてから強力な錆止めを塗ります。
その錆止めの上にシーリング材が乗るわけですから、シール材と錆止め剤の相性も考えなくてはなりません。
下地が完成してようやく取り付け工程にかかれます。
この手のスポーツカーはゆっくりとしたエコ運転で走る乗り物ではないと誰もが知っています。
サーキットなどで限界を極めるといったような走りが醍醐味です。
実はガラスを取り付けているシール材もボディフレームの強度にかなり影響しています。
下地が悪いとガラスが飛んで行ってしまうことも考えられるので、安易な仕事は控えた方が賢明かと思います。
懐かしいホンダのプレリュードが入庫してまいりました。 自分も20代前半ナンパするならプレリュード!なんてほざいていた
頃が懐かしく思ってしまいます。 しかしもてなかったな~
与太話はさて置き、お車は後部ガラスが破損してしまった状態ですが、お客様はこのお車に大変思い入れがお有りのようで、
これからも長く乗っていきたいとの事なんです。
この年式の国産車ともなると、各部品は生産中止やこの世に存在してないとまで言われてしまうそうです。
お客様はディーラー、自動車ガラス屋そして解体業者などいろいろ探されたようです。
しかーし! 弊社は海外に知人のコレクターが数人いますので、時間を少々頂ければ無いと言われた部品も入手可能です。
それも今回は、当時のままの未使用品レアパーツとして入荷してきました。
国内ディーラーさんは販売を目的として営業されているので、旧車と呼ばれてしまうような車両に対しては修理はおろか
部品の販売・手配もしてもらえないなんて・・仕方のないことです。
時代は(特に日本)新しいものをいつも求めてしまっています。
補修歴がない車でも、30年近く経つとサビなど出てしまいますね。 プラスチック部品は何箇所か壊れていますが、
クリップ程度のものなら代用品でどうにかなるものです。
下地をしっかり作ればまた10年は問題なくお乗りになれます。
それからガラスの色がブロンズとなってしまうため、グレー系のフィルムも貼ってみました。
最後にツヤの引けたボディを軽く磨いてあげれば、なかなかの仕上がりになりますね。
車検が来月で廃車も考えていたというお客様は、大変満足されお帰りになられたのであります。
フェラーリ512TRがフロントガラス破損状態で入庫してまいりました。
下の方から割れていますが外側には傷がありません。 お客様から事情を聞かせていただくと、
ダッシュボードが変形していて、そこにオモリを置いていたとの事らしいのです。
なるほど! 急ブレーキをかけてガラスの内側にオモリがヒットしてしまったようです。
さっそく新品ガラスも準備整っておりますのでガラスを外します。
ついでに、お客様がダッシュボードにオモリを載せていた場所あたりも一緒に矯正しましょう。
ダッシュボードの革を剥いでいきます。 画像ではわかりにくいですが、確かに微妙に変形しています。
恐らく室外で長い時間の放置による熱変形で間違いないでしょう。
無視すれば何のことでもないのかもしれませんが、気になり出すと何とかしたいというのが心情でしょうから・・・
革からスポンジまで全部はがし、浮いている所にリベットなどで固定します。
それから革などを元通りに戻してあげれば、綺麗なラインが再生されます。
メイン修理はフロントガラスですが、まさしく追加サービス作業となってしまいました。
しかしお客様は大変喜ばれたのであります。
1966年式 ポルシェの入庫であります。
今回はフロントガラスとスピーカーの交換と、ダッシュボードにお気になられる傷があるとのことで、ダッシュボードのリペア修理
を施工します。
フロントガラスは恐らく964モデルが付いてしまっているのかと思われます。 ダッシュボードの穴あきは補修が無理かもしれません。
付いていたガラスは964タイプですね。 不必要なアンテナとミラーベースが付いてしまっています。
スピーカーから音が出ないのは当たり前です。 置き忘れのドライバーが破れたスピーカーに引っかかっている状態です。
シーリングされていない為、右下からはサビが発生してしまっています。 やりがいがありますね~
ダッシュボードが心配です。 破れたレザーの下にパンチングされた革の切れ端を入れて誤魔化していたんですね。
当時のダッシュボードはビニールレザーですので、熱で整形すればなんとか見れるようにはなるかもしれません。
先ずはスピーカーの取り付けです。 端子を加工しないと格好良く付きません。
ガラスはアメリカから輸入した新品です。 驚くことに当時の刻印がそのままされています。
恐らく復刻物して作られたものでしょう。 しかし West Germany の刻印は完璧です。
アンテナなしのミラーベースなし、そしてグリーンではなく単純な青色ガラスはなかなか手に入りません。
ガラスが当時のオリジナル調に変わり、ダッシュボードも凝視しなければ穴が目立たなく仕上がってきました。
お客様が大満足な納車と相成りましたのであります。