‘BMW’ カテゴリーのアーカイブ
BMWのM2クーペです。
BMWが技術を集積したコンパクトスポーツカーです。
パワーが有るだけではなく、快適性も追求された最新モデルとなります。
各部品の精度がシビアに追求されたBMWですから、運転中は静粛感の中に
エンジン音、音楽、タイヤの接地音など楽しみたい所です。
しかしながら走行中にキシミ音がするとの不具合が発生しているようです。
風切り音やキシミなど予期しない耳障りな音は本当にイライラしてしまいます。
内張りやシート、各ガラスの気になる箇所を徹底的に調べ上げた結果、リヤサイド
のガラスが一番怪しいと判明しました。
しかしながら雨漏れもしてないのになぜにガラス?
先ずはサイドガラスを取り外していきます。
オリジナルのシーリングはしっかりと施工されております。
しかしシーリングの更に下の部分、塗膜の下地が不具合を起こさせていたようです。
剥がしたシーリングに塗料が付いているのを見れば一目瞭然。
この接着不良が振動により微かな耳障り音を発生していたようです。
新しいBMWのシールは非常に硬くなる素材を使用しています。
硬くなるとシールの寄れなど軽減されますが、接着する相手側の精度も求められます。
シールは時間が経つと必ず収縮しますので画像の様な剥離を起こしてしまうのです。
ところで、スポーツカーと言えばポルシェ、フェラーリですが、両社共に塗膜の上に
シーリングをするという事は絶対ありません。
シーリング箇所には塗装をしていないのです。
塗膜と言う樹脂が硬いシールの性能を邪魔してしまうからです。
ちょっとした事では有りますが、快適な車ライフを過ごすには様々な材料と性質を
考慮しないといけません。
小生偉そうにBMWを責めるつもりは些かもございませんが、ガラスプロショップの
つぶやきとお考えください。
だんだんと暑さが遠のいていく昨今。雨が降るごとに季節を感じます。
なんて風流を感じてる場合ではありません。 ”雨がもれる!”
こんなトラブルが本当に多い季節です。
中のトリムをまず外します。 うわー、なんかカビ臭い。
アウターモールを外してみました。 ガラスがずり下がっていますね。
感じてはいましたが、やはり何処かで補修歴があります。
こりゃひどい! と思わず叫びたくなる様な状態です。
・・・
残念ながらプロの仕事ではなさそうですね。(皮肉)
時間が経過されてる様ですが、今までオーナー様が気がつかなかった事が不思議です。
シールの悪さばかり目立ちましたが、ボディ側はご覧の通りサビだらけです。
もう少しで穴が開きそうです。
まずはサビ取りから始まり脱脂をします。 何度も言うようですが
とにかく下地が大事です。
シーリングは多ければいいと言う物ではありません。確実な所にシーリングを
充填すれば、絶対と言っていいほど水は浸入しません。
整いました。 後は室内を乾燥して納車となります。
ガラス作業ですが、ドイツ車は決して難しい車ではありません。
ただ知識と確実さが求められるので、いい加減な気持ちで手を付けられると
大変なトラブルにつながってしまいます。
職人ならば仕事も自分に厳しく取り掛かって行きたいものです
BMW E46ツーリング 現行モデルのひとつ前の形となる車ですがまだまだ全然カッコよいです。
でも残念ながら、フロントガラスから雨漏れしてしまう様です。
オリジナルから雨漏れするのはまずありえないので、ガラスを
外してじっくりと原因をつきとめます。
外すとわかるのですが、やっぱり!
どこかでガラスを交換した形跡があります。
シーリングが途切れ途切れになっています。
手でシールを引っ張るだけではがれてしまいました。
よく言う”剥離状態”といったところです。 雨漏れで済んでよかったかも・・・最悪はガラスが飛んでしまいます。
恐いですね。
急いだ仕事は禁物です。 ボディ側からじっくりと下地を作ります。
ガラス側も完全に脱脂します。 ・・なんか新品みたいに光ってしまいました。
ガラスの下側、中心から始まって一周シーリングを充填します。
ガラスをボディに乗せました。 バイザー付近のルーフライニングをめくったところです。
シーリングのムラがありません。 ドイツ車は下手な加工はせず基本に忠実にまとめなければいけません。 いわば、物が付くところにしか付かないのです 。
整いました。 ガラスが綺麗になっただけで大変コンディションが良くなりました。
今回はBMWモトーレン東名横浜の横浜磯子サービス様へ
お伺いしております。 神奈川県内では港から比較的
近く、古くから営業されている信頼あるディーラーです。
90型のM3が入庫されてます。
速そうなスタイルですね。
作業としては、左上のモールディングが浮いてしまっています。
本来ガラスを外さずにモールを交換しますが、今回はしっかりと
外してやってみたいと思います。
まずは、下側のワイパーやフィルターなどをごっそりと外します。
センサーなどもあるので要注意です。
ピアノ線で外します。 実はピアノ線も種類がいっぱいあります。
0.3ミリから0.8ミリ、その他変な加工をした物まで。 プロに
なると車をみれば、これは使えてこのピアノ線はあぶないなーなど
確実に判断します。 当たり前か・・・ 割ってからじゃ遅いですよね。
外れました。 室内側にもいろんなセンサーが・・
外したガラスの内側を特殊なコンパウンドで磨きます。
この様にすると歪みがとれてホコリなど付かなくなり、曇りにくく
なります。 視界の確保はこれが一番だと思います。
下地をしっかりと作ります。
最近の車はよく両面テープを使っています。
忘れずにテープ用プライマーを・・・
黄色のマスキングテープは、モールの外側の位置決めです。
モールディングはガラスに対して水平に取り付ける構造ですので、ガラスが
ボディから離れていた方がきれいに取り付けられます。
シーリングも完了です。
もちろん一人で乗せてしまいます。
気になられていた箇所もナイスラインです。
本当はルーフモールも症状に絡んでいました。
クリップが弱く、前側が上に持ち上がっていたんですね。
クリップを加工して、ルーフモールのひっかかりを強くしたことによって
同じ症状は出ないでしょう。
整いました。 完成です。