‘ガラス脱着’ カテゴリーのアーカイブ
355の途中経過です。 フロントフードの下地が
見事に作られています。 下地じゃわからない・・確かに!
フロントフードの下地が作られる前がこんな感じでした。
何?このマーブル模様は! 均一に塗装を剥いで行くとこうなりました。
前回の塗装がいかに歪みだらけだったかがわかります。
塗装はただ厚く塗るだけの仕事をされると、こんなに大変な事に
なってしまいます。 新車は100ミクロン~200ミクロンの塗料の厚みが
決められています。 90年代のフェラーリは塗料メーカーにもよりますが
その当時に合わせていきます。 私はガラス屋ですが、塗装の知識も
多少ないと鈑金屋さんとうまくコラボできません。
355はエンドピラーに一番負担が掛かってしまいます。
ピラーとフェンダーのつなぎ目もしっかりと直します。
サイドガラスの下側の黒塗り処理は順序が大事となります。 塗装の段差を意識しなければいけません。
まず赤を入れてから黒を入れ、最後にガラス取り付けとなります。
数日後ですが下地が出来てきました。
ここまでやるのならば、ガラスが付いていたらとても
できないですね。
さらに数日後、色が入りました。見事な赤です。
目が痛くなりそうです。
養生に越したことはありません。後ろからまとめていきます。
後ろからサイドガラスへ、そしてルーフモールと前に進んでいきます。
フロントガラスを付けて最後に内装をまとめ、細かい仕上げに入っていきます。
今回のブログはボディショップ長谷川さんの紹介みたいになりました。 しかし塗装の
絡んだガラス脱着作業は、鈑金塗装屋さんと様々なノウハウを出し合い、まさしく
作業をコラボしないと決していい出来栄えにはならないのです。
今回は平塚市で鈑金塗装を経営されている
(有)ボディショップ長谷川さんにて作業となります。
ボディショップ長谷川さんには色々な車が入庫しています。
カウンタックLP500
なんと珍しい! ASA1000です。 私も初めてお目にかかれました。
フェラーリの小型版としてフェラリーナと言われてた名車です。
鈑金の職人さんも年季が入っていますね。
フロント周りがすっかりばらされているF355です。
全塗装のためガラスも一台分そっくりと外します。
内張り類を全部外します。
後ろがまた大変なのです。
毛布が足りなくなってしまうぐらい場所をとられます。
ガラスに被さっているパーツはとことんばらしていきます。
サイドガラスが外れました。
サイドガラスの延長でルーフモールも外します。
3.2ミリのリベットで付いています。
ドリルでリベットを揉むと見事に団子状態です。
リヤガラスは見事な作りです。90年代の車の素晴らしいところが
いたるところに見受けられます。
後ろ回りで半日掛かります。
フロントガラスも最後に外れました。塗装後取り付けに入ります。
だんだんと暑さが遠のいていく昨今。雨が降るごとに季節を感じます。
なんて風流を感じてる場合ではありません。 ”雨がもれる!”
こんなトラブルが本当に多い季節です。
中のトリムをまず外します。 うわー、なんかカビ臭い。
アウターモールを外してみました。 ガラスがずり下がっていますね。
感じてはいましたが、やはり何処かで補修歴があります。
こりゃひどい! と思わず叫びたくなる様な状態です。
・・・
残念ながらプロの仕事ではなさそうですね。(皮肉)
時間が経過されてる様ですが、今までオーナー様が気がつかなかった事が不思議です。
シールの悪さばかり目立ちましたが、ボディ側はご覧の通りサビだらけです。
もう少しで穴が開きそうです。
まずはサビ取りから始まり脱脂をします。 何度も言うようですが
とにかく下地が大事です。
シーリングは多ければいいと言う物ではありません。確実な所にシーリングを
充填すれば、絶対と言っていいほど水は浸入しません。
整いました。 後は室内を乾燥して納車となります。
ガラス作業ですが、ドイツ車は決して難しい車ではありません。
ただ知識と確実さが求められるので、いい加減な気持ちで手を付けられると
大変なトラブルにつながってしまいます。
職人ならば仕事も自分に厳しく取り掛かって行きたいものです
BMW E46ツーリング 現行モデルのひとつ前の形となる車ですがまだまだ全然カッコよいです。
でも残念ながら、フロントガラスから雨漏れしてしまう様です。
オリジナルから雨漏れするのはまずありえないので、ガラスを
外してじっくりと原因をつきとめます。
外すとわかるのですが、やっぱり!
どこかでガラスを交換した形跡があります。
シーリングが途切れ途切れになっています。
手でシールを引っ張るだけではがれてしまいました。
よく言う”剥離状態”といったところです。 雨漏れで済んでよかったかも・・・最悪はガラスが飛んでしまいます。
恐いですね。
急いだ仕事は禁物です。 ボディ側からじっくりと下地を作ります。
ガラス側も完全に脱脂します。 ・・なんか新品みたいに光ってしまいました。
ガラスの下側、中心から始まって一周シーリングを充填します。
ガラスをボディに乗せました。 バイザー付近のルーフライニングをめくったところです。
シーリングのムラがありません。 ドイツ車は下手な加工はせず基本に忠実にまとめなければいけません。 いわば、物が付くところにしか付かないのです 。
整いました。 ガラスが綺麗になっただけで大変コンディションが良くなりました。
今日は自然豊かな御殿場で営まれている、ミツワ自動車富士小山デポさんにて作業です。
69年式911。 現在の997と比べてもスタイルがほとんど変わっていません。
足廻りとエンジンぐらいが進化している感じです。 40年以上も昔から、このバランスのよさと
空気抵抗の少なさなどの徹底したスタイルは本当に驚異です。
リヤガラスをはずして熱線修理をします。
熱線のつなぎ目がエンジンルーム内にあります。 それにしても綺麗にレストア
されていますね。 金属類はピカピカになり、断熱材など全部新品です。
ガラスを逆さま状態にすると、熱線の断線などがわかりやすく補修もしやすいのです。
ブースターでテストしてから取り付けに掛かります。
ボディとシール材の色が同色なのでわかりにくいですが、パテシールを適当に
充填します。
整いました。 ポルシェ博士の設計した車は、現在も”911”と言う名称で世界中を走っているなんて
本当に凄いと思います。
梅雨も明けたかどうかはっきりしない昨今、千葉県松戸市にある
カーファクトリー小川さんにやって来ました。
カーファクトリー小川さんの工場内です。 さすがに時代を問わず高級車が
並んでおります。 F355とF430、奥にはまだあるな~
F246ディノ・スパイダーとランボルギーニのミウラ!! LP400かな?
レストア待ちのフェラーリ328GTB。
おなじくレストア待ちのフェラーリの250ですね~
そろそろガラスを外すのかな?
あまりキョロキョロせずに、今日はF360モデナのガラス外しに集中しましょう。
飛び石で傷ついたところを塗装します。
バンパーやフロントフード、ステップ類が先に外してあり、塗装の下地が作りかけられて
いる状態です。 フロントガラスも交換です。
モデナで多いのが、ワイパーアームがガラスをこすってしまう事ですね。
サブアーム(細い方)が見事にガラスを削ってしまっています。
フロントガラスの右下側にラジオアンテナの端子があるのですが、
これがまた大変なところに付いています。
下からダッシュボードの裏をのぞくとありました。 コンピューターに
少し隠れています。
コンピューターを外すと端子の挿入部分が見えます。
室内トリムもそっくりと外します。
ピアノ線で外すのですが、ものすごく硬いシールです。 こんなに!?・・と思えるほどの
厚みです。
外し終わった時には腕が内出血なんて当たり前です。 指が1~2本落とす覚悟で取り掛からないと
出来ない仕事なのです。 オーバーかな。
ルーフモールの前側はタッピングネジで止まっていますが、後ろは?・・後ろもです。
そうなのです。 サイドガラスを外さないとネジが出てきません。
このぶ厚いシールはあり?
大汗をかきながら、指をなくさないように何とか外せました。
でも、モデナが登場してから10年。 数多くのモデナをばらしてきましたが、
たいした怪我もなく、よくやってるな~と自負してしまいます。
ひと通り外せたので完了です。 この後カーファクトリー小川さんの
塗装や仕上げに入り、後日取り付けの依頼が入ります。
相模原市に在るカリスマエンジニアの”クンスト”さんにやって来ました。
ここは車両置き場となっていますが、工場がいっぱいなのでここで
作業させてもらいます。
ボディにシーツが被さられていましたが、ちょっとめくって見ますと・・・
とても綺麗なクラシックベンツ達です。 とても半世紀前の車とは感じませんね。
早速はじめましょう。 作業内容はガラスが浮いていると言うことで、一回外してシーリングの
やり直しです。 ドアを閉めるたびにガラスがバコン! となるそうですから、ほっておけば
ガラスが飛んでいってしまうかも? いや。ありえます。
スマートだけに内装もシンプルです。
出来るだけ部品が出ないように、安い金額で納めようと徹底的に再使用です。
樹脂類パーツは遠赤外線を使いますが、この時期は暑くて大変です。
なんか、ガラスの面積がほとんどといったような・・・
すごいですね。 完全に剥離状態です。 黒塗りの部分(セラミック)が侵食してます。
シールの後が平らなところは剥離してた所です。 下側は全部剥離していて、上側の
所だけがかろうじて付いていたようです。
下地を作ります。
ガラス面も準備OKです。 シーリング完了。
BRABUSマークが見えます。 それより、シーリングが中から丸見えです。
大体良しとしましょう。 普通に見えてはいけない部分が、見えてしまう所が
さすがスマートかな?
整いました。 なかなか上出来です。
今回も御殿場インターチェンジ近くのラセール様で
作業をさせていただきます。
ポルシェ993カレラです。 空冷エンジン最終モデルですから
空冷ポルシェファンには人気がありますね。
左リヤフェンダーの塗装の為、板金屋さんがガラスを外しております。
塗装工程が終わったので早速取り付けに掛かります。
下側に水が廻ったと思われる後がありますね。
鉄板の合わせ目から中に水が入っていたのかなと
推測します。
いろいろなケースがありますが、基本的にはシール不足
がほとんどの原因ですね。
先ず得意?の彫刻刀を使ってシールをはがします。
下地がだいたい整いました。 下側のサビの部分は
プライマーで処理します。 意外と面倒なのがルーフライニングの
接着剤ですね。 これがシール面に残るとシールがボディに付きません。
ラセール様の鈑金担当、H氏です。 普段はスケベな事ばかり
考えてますが、ここぞという時は大変頼りになる方です。
ガラスの下側に付いているアルミモールです。
過去に何度も脱着されてる様なので、サビが付着し
劣化しかけています。
モールを綺麗にしてから脱脂をして、純正シールテープを
巻いていきます。
ボディ側はこれでOK。
ガラス側もシールし直しましょう。
オリジナルのようにシール材を選びます。
たかがサイドガラスですが、ひとつの箇所に
三種類のシール材を使っています。
ウェザーストリップゴムによってガラスを固定しますが、ひもを使って入れるやり方は60年前ぐらいからの技法です。 たしかメルセデスが最初かな?
ボディ側に最後のシール材を充填します。
またまたラセールさんのH氏、横には恐そうですけど
とても腰の低いK氏が、いつもみんなのサポートをされています。
すばらしい連携だと思います。
組みあがりました。
この様に塗装とガラス脱着が連携するとすばらしい
仕上がりになります。
今回はBMWモトーレン東名横浜の横浜磯子サービス様へ
お伺いしております。 神奈川県内では港から比較的
近く、古くから営業されている信頼あるディーラーです。
90型のM3が入庫されてます。
速そうなスタイルですね。
作業としては、左上のモールディングが浮いてしまっています。
本来ガラスを外さずにモールを交換しますが、今回はしっかりと
外してやってみたいと思います。
まずは、下側のワイパーやフィルターなどをごっそりと外します。
センサーなどもあるので要注意です。
ピアノ線で外します。 実はピアノ線も種類がいっぱいあります。
0.3ミリから0.8ミリ、その他変な加工をした物まで。 プロに
なると車をみれば、これは使えてこのピアノ線はあぶないなーなど
確実に判断します。 当たり前か・・・ 割ってからじゃ遅いですよね。
外れました。 室内側にもいろんなセンサーが・・
外したガラスの内側を特殊なコンパウンドで磨きます。
この様にすると歪みがとれてホコリなど付かなくなり、曇りにくく
なります。 視界の確保はこれが一番だと思います。
下地をしっかりと作ります。
最近の車はよく両面テープを使っています。
忘れずにテープ用プライマーを・・・
黄色のマスキングテープは、モールの外側の位置決めです。
モールディングはガラスに対して水平に取り付ける構造ですので、ガラスが
ボディから離れていた方がきれいに取り付けられます。
シーリングも完了です。
もちろん一人で乗せてしまいます。
気になられていた箇所もナイスラインです。
本当はルーフモールも症状に絡んでいました。
クリップが弱く、前側が上に持ち上がっていたんですね。
クリップを加工して、ルーフモールのひっかかりを強くしたことによって
同じ症状は出ないでしょう。
整いました。 完成です。